ミカンが届くまで
2021年11月に新柑橘選果場が竣工しました。
農家の貯蔵庫
家庭選果
選果場へ出荷
三ヶ日町農協柑橘選果場
生産者は家庭選果を終えたみかんを専用のコンテナに入れ、三ヶ日町農協の選果場へ持ち込みます。柑橘選果場としては日本最大規模で2021年11月に竣工しました。人工知能など最新鋭の設備が導入され、日量500㌧の選果能力があります。施設内では人の目に加え、高精度なセンサーと人工知能により一つ一つの果実の糖度や外観が計測され、みかん消費者へ届く果実の品質を保っています。この選果場を通過したみかんは「ミカちゃんマーク」の三ヶ日みかんとして出発します。2015年からは「機能性表示」の取り組みを始め、おいしさも健康も発信しています。
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- 選果場受付(タッチパネル方式)
選果場に搬入したら、専用の端末で出荷者と収穫園地と数量を入力します。入力データは電子チップ入りのIDボールに登録され、荷口に投入されます。搬入したミカンと選果結果のデータが紐づけられ、生産指導や園地管理が可能になります。
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- リフト荷おろし
リフトマンが、パレットに載せたミカンをリフトを使って下ろします。農家は搬入の際に重いもの持ち上げる必要がないため、体の負担がありません。
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- 手動荷降し装置
パレット出荷に対応できない農家も、らくらくハンドによりコンテナを荷降しできます。
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- パレット式自動倉庫
生産者が持ち込んだ原料コンテナをスムーズに選果機に供給するために一時原料保管として288パレットを収容します。
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- 一次選別
光センサーで選別される前に腐敗果、生傷果を排除します。
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- 鮮度保持装置
果実にごく短時間、強い近赤外線を照射し果実の体質を高めます。しなびやイタミを防ぎ、鮮度のよい状態でミカンを届けることができます。
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- センサーによる品質測定
内部品質センサー、外部品質センサーで果実1個1個を測定します。内部品質センサーは糖度とクエン酸を測定、外部品質センサーは全周を撮影し、大きさ、形状、外観を計測します。特殊な光によって目視では確認できない傷を検出します。自動整列装置によってベルトの上の果実の向きと間隔が揃えられ、1系列で1秒間に最高8個まで計測することができます。
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- 人工知能判定システム
外部品質センサーで取り込んだ画像をAI(人工知能)が判定します。AIは2018年からの学習させて育てたもので、「生傷」「浮皮」といった症状や病害虫などを識別する能力があります。今後も能力の向上が期待されています。1果1果を高速で判定し、選果精度が上がる他、生産者により高いフィードバックが可能となりました。
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- 等階級の選別
センサーの測定結果によりミカンが選果コンベアで運ばれ等級(秀・優など)階級(L・Mなど)別に集約されます。コンベアは全部で28条あり、時間あたり66.9トンの選果能力を持っています。
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- 自動箱詰(傾動式自動秤量機)
8kg・4kgダンボールとコンテナ出荷が可能です。斜めにダンボールを配置することによりミカンへの衝撃を少なくするよう工夫されています。2021年の新柑橘選果場では秤量機が90台に増設され、より広いニーズへの対応が可能となりました。ダンボールの規格も刷新されました。
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- 高速ソーター
箱詰めされたみかんが、バーコードで識別され等級別に仕分けされていきます。1時間に1万1千ケースの処理能力があります。
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- ロボットパレタイザー
製品はロボットがパレットに積み上げていきます。新柑橘選果場では、複数の等階級を混載することが可能となり、完全に自動化されました。パレットは11型レンタルパレットに刷新され近年の物流事情に対応しました。
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- 製品パレット自動倉庫
480棚の倉庫で製品を保管します。出荷指示に応じて、自動で棚から出庫されます。
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- 出庫
出庫された製品は、自動搬送台車に受け渡され、トラック積み込みラインへ搬出されます。
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- 製品出荷
トラックが各市場へと運んでいきます。パレットには8キロ入りダンボールで84箱が載っています。トラック1台には一度に16パレットを載せることができます。約10トンになります。1ケースにはMサイズのミカン、一つ100グラムが約80個。トラックの中には約10万個のミカンが入っていることになります。