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有線放送アーカイブ10~声と音楽で営農推進、農協と地域の懸け橋に~
有線放送が果たした大きな役割の一つが営農推進だ。農協からの営農情報等を町内一斉に伝える便利な情報伝達手段として地域のくらしに深く根差していた。例えば、柑橘の情報では冒頭にミカンの花をテーマにした童謡を流してから防除を呼びかけるのが定番で、有線から曲が流れ始めると町内で一斉に防除が行われるさまは三ヶ日町の風物詩ともいえるものであった。有線放送の電話機はボリュームを0に出来ない仕組みであったため、長年決まった時期に必ず耳に入る定番の音楽は、ミカン農家の意識に浸透し行動を促す力があった。有線放送と三ヶ日みかんのブランド力向上には深い関わりがあったのである。また、農協の役職員から各組織代表、新入職員など多くの農協関係者が有線放送に登場したが、地域の子供達やお年寄り、文化歴史や地区の伝承を語る地域住民まで数多くの声を届け、農協と地域をつなぐ番組作りを行っていた。
しかし、全面改修から15年以上が経過した平成中頃から自然災害等による有線放送や通話の不具合など修理件数が年々増える状況が続いた。三ヶ日町農協では現状の有線放送に代わる次期システムの検討を開始、平成17年に有線放送次期システム検討委員会を設置した。インターネットの時代が到来し始めていたが、町内でのインターネット普及率の低さからさまざまな方法を模索。平成28年にタブレットを用いたモニターを実施、改善点の検討を行った。平成29年からは次期システムの導入と方法、有線放送廃止の時期をより具体的に検討する段階に入っていった。
農協職員は入職すると必ず有線放送で自己紹介を行った。農協の各組織代表に就任した場合は自分の声でメッセージを送るのが慣例だった
三ヶ日町防犯協会による有線放送防犯劇はお年寄りが多く聞く有線にマッチした効果的な手法
野球や剣道など町内のスポーツ団体の子供達が有線を通じて仲間の募集などを行っていた
次期有線放送システムの候補としてモニターに使われたタブレット
有線放送の歴史(2005~2019)
平成17年
有線機器の老朽化を受け、有線放送次期システム検討委員会設置。委員会は理事・支部長・女性部・農青連・農協職員で構成
平成21年
お茶の間座談会でインターネット回線を利用した放送システムを提案。インターネット普及率の低さや高額な契約料が課題に。
有線放送を廃業した団体から機器を調達し、システム更新を延期
平成27年
次期情報システムとしてタブレット端末の利用を検討
平成28年
有線加入者へメール通知サービス開始
6月~導入を検討するタブレットのモニター実施
支部座談会での意見をもとに改良点を検討。2月にモニター終了
平成29年
8月次期有線放送システムについての全組合員アンケート実施。インターネット回線やスマホの普及を確認。
メールサービスやLINEでの情報発信を継続しながら、次期システム導入と有線放送廃止の時期を再検討