みかん
三ヶ日みかんの園地より 青島みかんの収穫はいつから?
12月3日はミカンの日。三ヶ日のミカン園から収穫の状況をお知らせします。
現在売場で見かけるミカンは「早生」みかんです。園地では11月上旬から始まった早生ミカンの収穫が終了し、三ヶ日みかんの主力品種である青島ミカンの収穫が始まりました。12月上中旬には早生ミカンの出荷も終わり、中下旬からはいよいよ青島にバトンタッチの時期となります。今のところ、天候には恵まれ収穫作業も順調に進んでいきそうです。同じミカンでもその味や、選び方のコツもありますのでご参考になれば幸いです。
青島ミカンとはどんなみかん?
(写真=収穫を迎えた三ヶ日みかんの主力品種「青島」)
青島ミカンは「青島温州」という品種の名前です。大玉で糖度が高く、しっかりとした甘みコクが感じられるミカンです。日照量が多い、水はけがよいなどの、三ヶ日の自然環境の中で丁寧に育てることで、青島ミカンはその特性を十分に発揮し、高品質な果実となります。JAみっかびの人気の風味豊かなジュースの正体はこの果実を絞っただけの、ストレート果汁です。
青島の形はやや扁平(平べったい)で、早生と比べると一回り大きめのサイズです。樹上に置かれる期間も長く、葉が光合成で働いて作る甘さが収穫直前まで果実の味を上げてくれます。また、青島ミカンは収穫後すぐに食べても美味しいですが、しばらく寝かせて熟成させるのが特徴です。熟成の過程で酸味のカドが取れて味も濃縮されます。長いものでは4月上旬まで貯蔵しますが、時期による味の変化を楽しめるのも青島ミカンの魅力の一つです。
早生ミカンとの違いとは?
早生との違いをまとめると。時期、大きさ、食感などです。糖度そのものは青島の方が高いです。ただ早生はフクが薄めので、甘さが感じやすいのが特徴です。青島は体質にも優れ日持ちもするのが嬉しい点です。
(写真=どちらが早生でどちらが青島でしょうか?)
青島は11月下旬から収穫が始まり、ちょうど早生の出荷が終わる頃に売り場に登場します。生産者でなければ、隣に並べて見比べないと中々違いが分かりずらいかもしれません。一番の目印は箱のデザインです。オレンジ色の箱は早生、水色の箱は青島を意味します。12月以降はこの水色の箱を探してみてください。それ以外のデザインの希少な銘柄もあります。
1本の樹に約700個、収穫作業は人手が頼り
青島ミカンの収穫は11月下旬から本格化します。農業の現場でも機械による効率化は進んでいますが、樹からハサミでミカンを切り離す収穫作業だけは今でも人の手が頼りです。例えば、1本の樹には約600~700個のみかんが実っています。整備された園地では、1人あたり1日500kgを収穫できると言われています。そして収穫にはタイムリミットがあり、遅くなると「霜害」「鳥害」また果実の過熟により商品価値がなくなってしまいます。12月中下旬、おそくともクリスマスまでには収穫を終えようと、生産者は頑張っています。
(写真=20kgが入る収穫のコンテナ。一本の樹を収穫するとコンテナおよそ3つ分)
例えば3ヘクタール(1ヘクタールは100m×100m)規模の園地では約90トンものみかんが収穫されます。この規模の収穫を20日間で終えるには、毎日最低でも9人以上の収穫する人手が必要になる計算です。そのため、収穫期には隣町や県外からの援農者も加わり、三ヶ日の昼間人口が大幅に増加します。
さらに、収穫作業には天候も重要です。雨や、前日の雨で果実が濡れていると収穫ができません。ただ朝露程度であれば遠州の「空っ風」と呼ばれる乾燥した風がうまく吹いてくれると露を飛ばし、収穫に最適な状態になります。自然と人の力が合わさり、美味しい青島が私たちの手元に届いているのです。
(写真=ミカンの収穫は人の手が頼り)
特別な早生みかん完熟早生「心」にも注目
早生から青島にバトンタッチがされますが、早生の最後は特別な果実の収穫が待っています。樹上で完熟させた完熟早生「心」は三ヶ日みかんの早生の最期を飾る特別なミカンです。希少でなかなか目に触れることはありませんが、見かけたらぜひその至高の味をお試しください。12月10日の初売りでは、直売所で通常の早生との食べ比べ試食会を予定しています。
(写真=早生の最終に出る完熟早生「心」)