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有機物残渣処理システムでCO2を99%削減 三ヶ日みかんでSDGs

JAみっかびは、浜松市北区の同JAが所有する柑橘選果場内で、腐敗ミカンを微生物によって分解する「有機物残渣処理システム」の運用を始めました。
柑橘選果場で発生する腐敗ミカンを微生物によって分解し液化処理を行う、地球環境に優しい廃棄物処理システムです。これによって温室効果ガス発生の大幅削減に貢献し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に取り組みます。

選果場で取り除いた腐敗果

柑橘選果場では選果の過程で腐敗ミカンが発生します。とくに1月から収穫後の貯蔵ミカンを集荷する時期に多く、1日で600キロ近くにもなることもあります。浮皮などによる果実体質の低下や、収穫前の悪天候によるイタミ果の増加でその年の腐敗果実量が多くなり、家庭選果で紛れ込んでいたり、家庭選果後にイタミ果が腐敗したりすることが腐敗果発生のおもな原因です。

CO2を年間で99%削減 

従来はこの腐敗果の処理を産廃業者に依頼し、処理施設へ運搬、焼却処分を行っていて、業者が引き取るまで保管していたため、職場衛生的、美観的にも問題となっていました。
この有機物残渣処理システムでは、焼却処分時と比べてCO2発生量を年間で99.9%削減することができます。選果場施設内に設置したことで、発生した腐敗果を保管することなく当日に処理することも可能です。

(写真=腐敗果の投入直後)

(写真=腐敗果投入から24時間後)

同システムは最大で1トンの腐敗ミカンを、24時間以内に完全に分解することができ、処理後の分解水は同システムの隣に埋設された浄化槽を通り、側溝で雨水と合流、排出されていきます。この分解水はさまざまな栄養成分を含んでいることが考えられるため、今後は肥料メーカーと相談しながら成分分析を行い液肥への活用も検討しています。

設置を受けて同JA職員は「このシステムを使うことで柑橘選果場での廃棄ミカンをゼロにして、SDGsの『つくる責任、つかう責任』を果たしていきたい」と話しています。

 

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