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三ヶ日町農協が農業者と職員の欧州視察合同研修をスタート

三ヶ日町農協は令和元年度、次世代に向けた研修を新たスタートしています。

若い農業者と職員の混成チームで海外を視察するもので、JA共済連の助成を受け6年継続の計画。

変化する時代の中、協同組合の本質と最新技術を理解し、地域の持続的発展に貢献する人材を育てる目的です。

同農協の後藤善一代表理事組合長は「常識は一つの固定観念に過ぎない、世界が広いと若いうちに知って欲しい。それが未来へのスタートライン」と話します。

初年度、20~40代で構成された「R-1チーム」14人は10月13日から19日にヨーロッパを訪問。

1月中旬に配布する広報誌へ報告を特集し、次回の「R-2チーム」の募集を始めています。

協同組合の原点をドイツのライファイゼンから学ぶ

ドイツでは協同組合の代表機関「DGRV」と、その祖ライファイゼン氏の生家を訪問。

現在ドイツには約5000の協同組合があり、国民の1/4が組合員。再生エネルギーなど新しい協同組合が誕生しています。

その発祥は18世紀。農村の飢え、農民が農場を高利貸しに取り上げられる惨状の中、お互いの労力・お金・食料・持ち寄り自立した起源や受け継がれる「3s」の考え方を学びました。

(写真=風力発電の風車。再生エネルギーへの意識が高く専門の協同組合も生まれている)

最新技術で高い生産性を誇るオランダ、農業集積地「アグリポート」を訪問

九州の面積で、農業輸出額が世界2位のオランダでは、30haのガラスハウスを訪問しました。

視察先の家族経営の農園では、最大100人を雇用し、日量30㌧のパプリカを収穫、95%を輸出。

(写真=労務管理に使う従業員の雇用ICタグ)

労務管理にICタグ、収穫運搬にロボットを活用していました。

暖房に地熱を活用し、電気を自家発電し、余剰電力を売電、副産物の熱と二酸化炭素も作物に施用する。

防除の主役は天敵で、化学農薬はわずかだった。

最新の農業と古き協同組合の視察から

帰国後、チームは報告をまとめて報告をしました。

メンバーは「改めて、自身の所属する組合に興味を持った」「メンバーの感じ方の違いが新鮮」と所感を伝え、「協同組合の最初の思想は大切、同時に変化が大切」と締めくくりました。

視察団の団長を務めたミカン農家の河西佳宏さん(49)はこう話します。

「オランダの高速道路で大型トラクターの一団とすれ違った。政府の環境政策へ反対するデモから帰る農家だった。オランダは雇用環境が手厚い分、人件費は高く、環境意識が高い分、農家への圧力は強い。自動化、エネルギー効率に注力する『スマート農業』一つとっても背景に解決すべき課題があった。6年後、視野を広げた参加者の集まりが地域の課題を解決する原動力になると確信している」

海外視察研修のレポートの一部が広報誌に掲載されています

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