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大変な土づくりを省力化 ブロック堆肥開発

試作品のブロック堆肥を置く農協職員

三ヶ日町農協はみかん産地最大の課題である三ヶ日みかんの隔年結果を是正するプロジェクトを立ち上げ、対策として土づくりを推進しています。

省力的なブロック堆肥の開発や、土づくりの助成で、土づくりを後押ししています。

収量が不安定になる「隔年結果」(かくねんけっか)

隔年結果とは1年ごとに豊作、凶作を繰り返す症状のことです。

隔年結果になったミカンの樹は収量や供給が安定しないために、農業経営にも悪い影響を与えます。

隔年結果の大きな原因の一つとされているのが、樹勢の低下です。

樹の栄養が不足すると、樹が適切な発芽と着花をする力がなくなってしまいます。

三ヶ日みかんの代表品種、青島みかんは糖度が高い反面、樹上の期間が早生品種よりも約1か月長く、栄養を注ぎ込むため隔年結果が起こりやすくなっています。

 

今、問題となっているのが土中の根の状態です。

全国的にみかんの生産量が減る中、三ヶ日では昭和50年から生産量と栽培面積を維持しています。

三ヶ日においても生産者が減少しており、一人一人が規模を拡大してカバーしています。

そこで欠かせないのが生産性を上げるための農業機械です。こうした農業機械が園地内を走ることで、土が年々、固くなることが懸念されています。

土が硬くなると根が張れず、いくら施肥をしても樹は肥料を吸えず、生育に必要な栄養を作れなってしまいます。

近年は異常気象を乗り越えるには、より元気な樹づくりが求められています。そこで重要になるのが土づくりです。

土づくりで、三ヶ日みかんの樹勢を上げる

土づくりに最も効果的とされるのが堆肥の投入です。

有機物により土が柔らかくなり、有用な微生物が増え、化学的な環境も向上します。

三ヶ日町は「みっかび牛」をはじめとした畜産が盛んで、堆肥にも恵まれた環境です。

2019年度、三ヶ日町農協は、隔年結果の是正と、地域循環型の農業の推進のために町内1700haの園地を対象に堆肥に購入助成をして、土づくりの後押しをしています。

 土づくりは大切だが大変な作業

効果的な堆肥の最大のネックは散布の重労働。

そこでプロジェクトは今年度、省力的な土づくりのために、今年度、町内でみっかび牛約350頭を飼育する株式会社和田牧場と共同で省力的な堆肥資材「ブロック堆肥」を開発、供給を始めています。

完熟堆肥に有用な微生物群を加え、熱と圧力、植物由来の樹脂でケーキ上に焼き固めもので、土壌流亡も少なく、他の作業を邪魔しないメリットもあります。

昨年、7月に使用したブロック堆肥は徐々に崩れ、堆肥をどけると細根が発生。

施用したみかん農家は「土が固くなっても農機の使用は今後も欠かせない。割高だが、簡単。手間や身体の負担、長い目でみれば有効」と話しているます。

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